視察報告~自転車セミナー

10月14日に、(一財)自転車普及協会の主催で行われた第4回自転車セミナー『自転車の利用組促進策のこれからのあり方~利用促進の限界を乗りこえられるか~』に参加して来ました。今回の講師は姫路市のまちづくりにもご助言を頂いている古倉宗治先生でしたので、今回の視察報告は、姫路市に提出したセミナーレポートから。
セミナー要点
自転車政策の現状と課題
・ 世界の自転車政策の転換点を検証すると、自転車先進国と呼ばれている国においての位置付けが、ハード面からソフト面へと向かう中で、総論としての『自転車のあり方』に変化が生じている。
・ 放置自転車や自転車道・自転車レーンや自動車との比較の中での交通政策という一面に囚われず、健康や環境・経済・時間・防災など様々な面を考慮した総合的な自転車のあり方(総論)によって、実際の施策へと反映する各論部分の対策についても、基礎が成立しないため、トータルとして筋の通った政策へと繋げることが困難。
・ 自転車政策については、未だにハード面のみに留まっている自治体が多い。(そんな中、姫路市では自転車ネットワークと行った総論と、それを支えるべき各論にまで踏み込んだ計画があることは評価すべきであり、古倉先生のおかげと思われる。)
・ 自転車政策に関して、自治体として『CO2削減』や『生活習慣病予防及び医療費削減』といったメリット部分について積極的に解説し、推進していく姿勢が必要。
・ 自転車政策推進において支障とされる『自転車事故』防止のためには、事故の発生状況の分析と、その対策を含めた教育や周知体制を構築することが重要だが、現状では『何が悪いのか、どうすれば良いのか』という部分の解説が不足している。
・ 自転車と公共交通との連携によっては、買い物難民防止・健康維持を含め、高齢化社会における重要な移動手段となることを踏まえ、コンパクト+ネットワークシティとして活用を図ることも求められる。
感想と姫路市においてのまとめ
上記の観点から、自転車の位置付けについては姫路市においても『車がなければ生活できない』という認識から脱却する為の『ターニング・ポイント』が必要と思われる。
現状で、姫路市での自転車の利用率は高校生の自転車通学率から言っても、他市と比較して高いと思われるが、ターニング・ポイントとして『自転車利活用の優遇策』によって、『車両意識の徹底』と『公共交通機関との連携』を図ることが今後の課題となってくるものと思われる。
また、自転車政策総論としての市内(特に中心部)での『自転車の位置付け』によって、姫路市が自転車を利活用して発展できる都市となるかが問われることから、観光を起点として市民を巻き込んだ形での自転車の利活用を推進していきたい。

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