10月7日の午後は、八女市で2件の視察でした。
1件目は『ちくご高齢者等SOS徘徊ネットワーク広域連携事業について』ということで、広域で高齢者等の徘徊へ対応していこうという事業。
姫路市でも高齢者等の徘徊は当然問題になってきていて、GPS付きの電話機購入の際の補助などの制度もあります。
でも、実際問題として医療・介護の現場でも認知症の方の徘徊対策にGPS端末を導入しても、肝心のご本人がそれを持ってくれないというのが悩みの種ですし、徘徊される方は思いの外遠くまで歩いて行けてしまうので、一端行方不明になると捜索が困難になる事もあります。
そんな中、広域連携事業として近隣市町村が協力して捜索、というのは非常に心強いです。
私が視察をした中で気になった主な点は、以下の3つ。
1.実際に徘徊等で行方不明になった場合にどんな形で連絡されるのか
2.個人情報の取扱についてはどのように処理しているのか
3.どれぐらいの頻度で発生しているのか
実際に行方不明事案が出た場合に、行方不明の方の氏名や年令・特徴など、事前に登録していただいておいてそれをmailやFAX等で一斉送信する事で、連携先の自治体と、協力事業者として提携されている企業などに情報が行き渡り、周辺自治体を含めた『日常生活の中での捜索網』ができあがるというのは、見る側としても助かります。
また、事前登録という形で個人情報を登録する際にどんな内容が公開されるかについて了承を得ておいて、実際に行方不明になった際にはその了解の元に情報が公開される点は、システムとして優れていると思いました。
発生数はやはり、人口から言っても姫路市よりは低いのではないかと思いましたがそれでも毎月のように情報が回っているそうですので、需要としては大きいように思われます。
私自身が病院・高齢者介護の現場にいた際にも、患者様・利用者様の行方不明事案が発生した際には一斉メール送信で職員が捜索するという対応を取っていましたが、発見後の個人情報の処理については職員に『メールを削除して下さい』とお願いするしかなく、また今回の広域ネットワークでもFAXは破棄を依頼しているとの事。無いとは思うものの、事後の悪用等の心配も含めて考えた場合には、後からは見られなくするシステムの構築も今後の課題では・・・と思いました。
そういう面では、FAXでは難しいものの、メール送信の場合には捜索依頼情報をまとめたサイトを作っておいて、メールではそこへのアクセスリンクをメールに記載しておき、捜索終了後にはアクセスリンク先を消去するという方法も今後考えていくことが可能では?とも思いました。
是非、毎年増え続ける『行方不明者』が一人でも減る事を祈ると共に、システムの構築を考えていきたいです。