1月19日の経済観光委員会視察は、『バイオマス産業都市・佐賀市が目指す持続可能な脱炭素・資源循環のまちづくり』として佐賀市清掃工場へ。
姫路市でも市川美化センターの老朽化に伴って、新美化センターが計画されていくこととなりますが、その際に検討すべき『どのような美化センターを目指すか』の参考に、佐賀市清掃工場で実施されている二酸化炭素分離回収について視察研修を受けました。
ごみの焼却の際に出る二酸化炭素を洗浄・分離回収・貯留することで、植物プラントでの作物成長促進に活用するという発想と、それを実際に実用化できるレベルまで取り組みを実施されたことでの経済波及効果が54億1300万円にのぼるとの事で、自治体として考えるとかなりチャレンジングであった成果を誇らしく感じておられることがよく分かりました。
※経済産業省資源エネルギー庁のこちらのページは2017年のものですが、佐賀市では2013年からCCUに向けての実証実験が行われてきたそうです。https://www.enecho.meti.go.jp/…/johoteikyo/ccus.html
佐賀市清掃工場が、ごみ処理施設であるにも関わらず、清掃『工場』というネーミングなのも理解できます。実際に周辺には二酸化炭素を活用した作物の農場類が建設されており、産業集積の好事例と感じました。
エコパークのように、焼却熱を活用した温水プールが隣接して設置されていたのですが、炭酸泉という形での活用はされていないとのことで、農業以外での二酸化炭素活用がされていないのは少しもったいないという気もしますが、説明の中で「佐賀市清掃工場では今から液化プラントを建設する費用は難しいが、今後の建設であれば、CCSや液化等も視野に入っているのでは…」との事でした。
とは言え、こちらでも200tのゴミを焼却して出る二酸化炭素220tの内、回収は10tとのことで、今後姫路で新美化センターの建設にあたっては、回収率や回収後のCCUSの手法等も含めて二酸化炭素分離回収を行うのか自体も、コストと共に検討する必要があります。
ただ、やはり実際の施設を見学したことで『百聞は一見に如かず』を実感しました。